研究課題

本研究室では、農産物や食品からバイオマスまでの幅広い地域資源を対象として、
それらを安全かつ持続的に高度・有効利用するための加工・変換プロセス非破壊品質計測法を研究しています。
これらのプロセスや計測法を開発・解析・統合 (システム化) ・装置化・実証することを通じて、
医食香粧・環境・エネルギー分野における知の蓄積、および、
これらの分野の発展に貢献できる人材の育成を目指しています。

We target a wide variety of regional resources ranging from agricultural products and foods to biomass
and are developing various methods for processing and conversion and non-destructive quality evaluation to utilize these resources in a sustainable, efficient, and safe way.
By developing, analyzing, systemizing, and verifying these processing and evaluating methods,
we aim to contribute to the accumulation of knowledge in the food, healthcare, cosmetics, environment, and energy domains.

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加工・変換プロセス Processing and conversion of agricultural products and foods

  • 湿式微粉化 Micro Wet Milling

    果実まるごとワイン醸造(ブルーベリー、マルベリー)、機能性に富んだ果実飲料(りんご、さつまいも)やペースト(緑茶、焙煎玄米、発芽玄米、アーモンド、シーバックソーン、ザクロ)の製造、 効率的な抽出手法の開発(スパイス、ハーブ)

     
  • カプセル化 Micro Encapsulation

    果汁系高品質粉末の製造(シーバックソーン、ザクロ)

        
  • 抽出、酵素反応、発酵 Enzymatic processing and Fermentation

    農産加工副産物の有効利用(無洗米製造の副生水の液化、糖化、発酵)、生薬からの健康飲料開発、藻類からの効率的油脂抽出、工場排水からのバイオガス回収

  • 殺菌 Pasteurization

    微酸性電解水を使った新しい殺菌法

  • 水挽玄米を用いたパンの製造、評価
  • 玄米スプラウトの開発
  • 米ゲルと大豆製品を用いた嚥下食品
  • 焙煎玄米を用いた新規飲料開発


非破壊品質計測法 Non-destructive quality measurement

食品や農産物には、色、味、香り、食感、機能性(健康への寄与)など様々な特性があります。
このような特性や品質を、主に光を使って非破壊的に計測する方法を開発しています。
光は計測対象の含有成分や微細構造によって、吸収・蛍光・散乱などの挙動を示すため、
これらの挙動を計測することで味や食感などを調べることができるのです。
一方、非破壊計測法では、食品や農産物をそのまま計測するため、目的としている品質以外の情報も
同時に取得してしまいます。(例えば、りんごの食感を知りたいのに、色の違いが計測値に影響を与えてしまう)
目的としている品質とそれ以外の情報を、計測方法、解析方法を工夫することによって分離し、
迅速で精度が高い計測手法を目指します。


  • 食品・農産物の貯蔵、追熟、熟成プロセスのモニタリング(チーズや肉の熟成、アボカドの追熟、レーザー散乱法によるリンゴや梨の貯蔵中の硬さ推定)

    レーザー散乱法によるリンゴ貯蔵中の硬さ変化のモニタリング

    蛍光指紋によるアボカドの食べごろ判別

  • 機能性成分の簡易定量(りんご中プロシアニジン、オリーブ葉中オレウロペイン、明日葉中カルコン類)

    明日葉中の部位・乾燥方法の違いによる特性変化の評価

  • 迅速な選別・検査(コーヒー未熟豆、食中毒菌の判別、貴腐ワインの偽造判別)

    蛍光イメージングによるコーヒー未熟豆の判別